自立式インフラシステムでエネルギー・水問題を解消─水・電気の365日完全自家消費時代へ


2025年9月号 そこが聞きたい! インタビュー

エネルギーと水は地産地消で―初期投資ゼロでそれまでより2~3割安い電気代と水道代の自立式インフラシステムが導入できる。池田さんが進めているこのプロジェクトは近い将来のエネルギー・水問題への一つの解になるかもしれない。

池田浩氏 (株)イクシス社長

昭和47年(1972)、岡山県出身。下関市立大学経済学部卒業後、RKB毎日放送に入社、テレビCMの販売や番組の企画開発を手がける。事業局メディア事業部でイベントや新規事業をプロデュース。データ放送を利用した日本初の広告配信システム「よんday」を開発、この時取得した商標「dポイント」はNTTドコモのポイントサービスで利用されている。平成30年(2018)、(株)イクシスを創業し、太陽光発電や不動産事業を始める。その後、RKB毎日放送をコンテンツ開発事業部長を最後に退職、同社社長に就任。

2~3割のコスト削減効果

―太陽光発電と言えば、山間地などに乱立していずれ環境問題を引き起こすのではないかと懸念されているメガソーラーを想起します。素人考えですが、送電ロスや環境問題などを考慮すると太陽光発電は地産地消がいいのではないかと思います。こちらが提案している「ZEROでんき」は自家発電方式ですね。

池田 年間の電気料金が600万円以上の事業所、施設などにご提案しています。太陽光パネルなどの初期投資は当社が負担し、15年間の電気供給契約を結んでいただきます。導入先は太陽光で生産された電力を昼間に使用し、バックアップとして公共電力と併用します。

―御社の収益源は?

池田 このシステムによって発電された電力の電気代で、導入時に設定したZEROでんきの単価は15年間固定です。その単価はその時点での公共単価の最大20%オフです。例えば、九州電力から1キロワット当たり25円だとすると、当社は20円で供給します。当社としてはこの固定の電気料金で初期投資分を回収するというビジネスモデルで、太陽光発電という自然エネルギーで原価はゼロですから、供給開始後は減価償却費プラス利益を得ることができます。利益率100%のビジネスですので、導入していただいたお客様に削減額として還元しても十分利益を上げることができます。

―単価が固定されるというのは、導入側としてもメリットが大きいですね。

池田 これから先も電気料金は上昇するでしょうから、導入側は将来的にメリットが更に増大します。ZEROでんきは15年間戸固定単価ですので、公共電気料金のように乱高下することはありません。もし、物価上昇率と同じように公共電気料金が年率2~3%上昇すると仮定すると導入して10~15年後には40~50%電気料金を抑えることができるという仮説が成り立ちます。

―水も自立式インフラのシステムを提案していますね。

池田 ZEROみずでは地下水を専用水道という水道法に基づいた方法でメイン供給いたします。公共水道はバックアップ用として契約は残す形となりますので非常に安心なダブル供給システムとなります。このシステムも井戸の掘削費用、1次、2次ろ過装置などのインフラの初期投資は当社が全額負担します。

―地下水を汲み上げるとなると、枯渇や地盤沈下などが懸念されますが。

池田 地盤沈下などが懸念されるのは、一般に使われている井戸水10~20メートルの深さにある地層からくみ上げる浅井戸です。浅い地下水を採水すると、水質が不安定だったりやはり地盤沈下する恐れがあります。当社が掘削するのは、深さ100~200メートルにある岩盤の下の層にある地下水です。地表の100倍の水が地下に眠っていると言われています。掘削費用はかかりますが、岩盤下からくみ上げた水は取水量も安定しています。岩盤下からくみ上げているのは、大量に水を使う工場、ゴルフ場、ホテルなどたくさんあります。

―水質など厳しい規制がありますが。

池田 地下水を汲み上げてろ過する専用水道は地元自治体の保健所や水道事業者による許可制です。51項目にわたる水質検査をクリアしないといけません。この専用水道システムも電力と同じですが、こちらは10年契約で公共水道料金の最大で30%安く供給します。原価は地下水もタダですから利益率が高いビジネスモデルです。

―契約期間を終了するとどうなりますか?

池田 方法は2つあります。更新しない場合は当社の負担でインフラ設備を撤去します。もう1つ、更新する場合は1年ごとの自動更新になります。現実的には更新する顧客がほとんどだと思います。やめた翌月から公共料金のみの供給に戻り、電気、水道代がかなり跳ね上がりますから。

―必要な敷地面積は?

池田 水で約20㎡、電気はパネル敷設の面積が必要なので最低でも200㎡です。

―ソーラーは屋根に設置するのが効率がいいですね。

池田 そうですね。例えばあるスーパーマーケットの屋根は折板屋根で鉄板が波のような形状をしているんですが、この猛暑で鉄が熱せられてフライパンのような状態になっていて冷房が効きにくくなっています。その上にソーラーを敷き詰めると遮熱効果で冷房の効率がぐんと上がります。

―パネルの耐熱性、耐寒性はどうですか?

池田 太陽光パネルは人工衛星に使用されています。宇宙では毎日プラス100℃以上からマイナス150℃以下までを毎日繰り返していて、そのような過酷な環境でも十分耐えられます。電気代抑制もですが、これだけの猛暑なので遮熱目的の問い合わせが急増しています。先日も熊本のある工場の工場長から「とにかく暑くて堪らないから早く設置して欲しい」と言われました。

―電気と水はセットが必須条件ですか?

池田 いえ、どちらか一方でも構いません。ただ、両方やった方がコスト削減効果が大きいですから両方をお勧めしています。

地域の防災ステーション

―水のニーズはどうですか?

池田 これから爆発的にニーズが高まると見ています。全国で問題になっている水道管の老朽化です。全国で使用されている水道管の約2割が、すでに法定耐用年数である40年を超えているとされています。特に地方自治体では、財源不足や人材の確保が難しい状況が続き、更新が追いつかない地域も少なくありません。いつ何時、水道管が破裂するか分からない時代になりました。破裂すればその箇所を修理すれば済む話ですが、問題は漏水です。知らないうちに貴重な水が失われている可能性があります。こうした現状から10年後には全国の98%の自治体で水道料金が平均で1・5倍に高騰するという予測が出ています。

値上げしても供給されればまだ問題はありません。問題は水が供給されない可能性があることです。現実に北海道、東北では一部、供給できないというケースが起きています。どういうことかというと、配水できないケースが出てきていて今後それが拡大する可能性があるのです。一般家庭向けの配水は止められませんが、営利目的の工場、ホテルやゴルフ場など新規でできる施設は市街地から離れた所に立地しますが、そうしたところには水道管敷設を断られる可能性があります。

―そうなると自己で水を確保しなければ操業、営業できませんね。


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